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2017-08-16

SS「チェスしか出来ない少女」

リクエスト消化ー^^
チェスしか出来ない少女

梨鶴(りず)には取り柄が無い、といえば嘘になる。
高校3年生になるが、頭の中はチェスばかり。
テストの点数はさぞよかろう、例えば数学。
そう思うだろう。
だが、深読みしすぎていつも点数が弱い。
小学校のテストでこういう事があった。
「8割4」
というもの。
(2って答えたらやっぱり馬鹿って思われるのかな)
結局親にため息を図れる結果となった。

ある日の放課後、梨鶴に友人がすまなそうな顔をして
やってきた。
「あのさぁ、女子ボクシングの親善試合のメンツが揃わないのよ」
試合は明日なんだけど、差し入れの鯖寿司が当たっちゃってさ。
鯖が私、食べれないのと、数人同じ人がいたからある程度の人数
揃ったんだけどあと一人、殴られるのは嫌だって皆断るの、
ね、お願い!」
梨鶴は少し考えて言った。
「私も殴られるのはやっぱり嫌だよ」

「ふむふむ、一発殴られて倒れるだけでこれをあげるんだけどな」
友人は一枚の写真を出した。パソコンのチェスサイトだ。

「こ、これはVIPしか入れないサイトじゃない!」

「アカウント譲ってもいいって叔父が言ってるんだけどな
~」

「やるやる! 一発食らってコロンと転がればいいんでしょ?」

「おお、やってくれますか梨鶴様!」

というわけで試合の面子の中に組み込まれた。

試合の日、梨鶴はソワソワしていた。
(一発っていったって、相手の高校の女子皆ムキムキじゃない!)
 梨鶴の試合は一番最後、その間同級生が軒並み殴られている。
梨鶴の目の前に血と唾液のねばついたマウスピースが転がってきて、
それを拾ってくれと言われた時には背中に怖気が走った、しかも手を
嗅いだら臭い。
臭いと思えば何もかもが臭い、部室も女子の汗の匂いがモワッとするし、
クーラーが無いのでそれは強烈にクラクラするものだった。
梨鶴は紺のブルマで上は体操服だが、自分の脇の匂いがよくわかる。
(くっさ~、女子っていっても臭いんだなぁ」
そう梨鶴が思っていると、名前が呼ばれた。
試合に誘った友人だった、顔がボコボコで鼻血を出している」
「ごめん梨鶴、あとこっちが勝てば団体戦勝ちなの、勝って!」
「ええっ! 話が違う!」
「ごめん、あんただけが頼りなのよ」
「だから話が違うって!」と言った所でレフリーに呼ばれた。
(勝てって、私チェス以外に取り柄が無いのに……)
後は何をレフリーに言われたか覚えていない、とにかく試合開始の
ゴングだけはわかった。

カーン

すぐに相手女子はかけよってきてジャブを打ってきた。
顔にピシッピシッと当たる。
(いつつ、これが最初の一手か、王道ね、顔に当たると頭がクラクラする……か)
とりあえず顔をガードしてみた。
ドスッ! 鳩尾にボディブローが突き刺さった。
「んっ、むぇっ!」
口からマウスピースを盛り上げさせる。
(メモ2、ボディはダイレクトに苦しい……と)
基本的にボディをガードして、顔を殴られ続けた。
ボトン、トン。
マウスピースが吐き出されて跳ねる。
梨鶴は恥ずかしくなった。
(私の口腔の形が丸見えじゃない!)
だが顔面へのパンチでどうでも良くなった。
「どう?ボディも打たせてよ、地獄の苦しみを味あわせてあげるわ」
相手はサディスティックに笑った。
「親善試合だったからもっと誠実な方だと……」
バキッ!
また梨鶴は殴られて口から血と唾液の混じった粘液を吐き出した。
「頑張れ梨鶴!」友人が叫ぶ。
(一発殴られるだけでコロリでいいといったのに……)
ちなみにインターバルは無い、そういうルールなのだ。
梨鶴は何度も踏み込んで攻撃をするが、すぐにガードされる。
「くそっ! くそっ!」
梨鶴は叫ぶ。
「あんたの高校はこんなに弱いわけ?」
相手選手があざ笑う。
梨鶴は顔面をガードする。
「あんた馬鹿ね、ボディがガラ空きじゃない」
ずぼぉぉぉっ!
ボディに強烈な一撃を食らった。
「これで決まりね」
相手選手は両腕をあげた。
「……りがとう」
梨鶴がぼやいた。
「何?今何て言ったの?」
「あ……りがとう。ボディは苦しい、でも頭が冴える」
「何いってんのよ、もう一発食らいたい?」
「いいえ?」
梨鶴は「左足」から踏み込んだ。
相手の動きが変わる。
「これが私の手、あなたに右足からだけ攻撃してパターンを作った。
チェスでも私はこの手を使う。一回戦では相手に癖として見せて罠にはめるため!」
そして梨鶴は相手の懐にスルリと入った。
「ポーンというチェスのコマを知っていますか? ある条件を満たすと
好きなコマになれる。さて私は何をするでしょう」
「チェ、チェス?ポーン?」
「私は何をするでしょうか!」
「ぼ、ボディーで悶絶?」
「違います」
梨鶴はアッパーを打った。素人なので完璧ではないが、
相手の意識を刈り取るには十分だった。
「まずは相手の意識を刈り取って勝ちへ持っていく事、そして」
ズンッ……。
力の抜けた相手にボディが刺さった。
「がぼっ!」
相手は血と唾液でぬらぬらになったマウスピースを吐き出した。
びちゃん、びちゃん、びちゃん。跳ね回る。
「チェックメイト」
梨鶴は静かに言うと、もう一発アッパーを叩き込んだ。
ズドン!
相手はダウンして、完全に気絶してしまった。





「あー、VIPの人強い!」
夜中に顔に湿布を張ったまま、パソコンの前で梨鶴は叫んだ。

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No title

あのリクエストで勝つストーリーになるとは思いませんでしたe-68
りずちゃんやりますねぇ!

No title

ありがとうございました、また新たなシリーズとして書くかもしれません!
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